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左右同じ度数のメガネを少し傾けてかけると、右眼と左眼で見ている像の位置が、プリズム作用により上下にずれてきます。
それをそろえるために両眼の筋肉は過剰な緊張を強いられます。
ハードコンタクトのように、まばたきのたびに動きやすいレンズは、左右の動きが違う(安定場所が違う)と、同じことになります。
このプリズムを用いることで、左右の眼を寄せやすくしたり、遠方へ向けやすくすることができます。
視力のよい人の近視予防の一つとして、調節筋(毛様体など)の緊張が少なくなるように、凸レンズの眼鏡を用いるものがあります。
現実にこの方法を用いている専門家もいます。
しかし、この方法をとても疲れる、集中できない、自分の眼で見るほうが楽だと訴える人がいます。
両眼をそろえるための外眼筋のストレスが考慮されていないことが、主な原因です。
近くを見るときの輯轄と調節、両方のストレスを緩和して、楽に集中できるように、そして、近視や乱視を起こすストレス、そこから起こるさまざまな症状から眼を守るメガネを、私はトリートメントレンズ(近用機能レンズ)と呼んでいます。
遠方用メガネと近用機能メガネをこまめに使い分けすることで、近視を約40パーセント緩和したレンズで矯正できるようになった例を紹介しましょう。
その人は右眼が利き眼で、読み書きの際、右眼に比重がかかった見方をしていました。
そのため右眼の視力低下が進みやすく、両眼をうまく使えていませんでした。
そこで日常用とデスクワーク用とで、両眼視機能を調整したレンズを使い分けてもらいました。
デスクワーク用は、遠方がクリアに見えませんが、日常的に使ってもかまわないものです。
この人もそうして使っているうちに、近用メガネで遠方が見えるようになってきました。
多角的な屈折値でも近視の量が減っています。
そこでまた近用機能メガネを調整するということを繰り返しているうちに、最初の度数より4割程度軽い近視になっていったのです(専門的な数値でいうと、Sマイナス6.25ジオプトリーからSマイナス3.5ジオプトリー)。
こうした視力回復は特別なことではありません。
視力低下防止に力を入れている眼鏡士であれば経験しています。
ただし、これを意図的にコントロールすることに意味があるのです。
遠方と近方でメガネをかけかえるというと、小さい子どもは面倒がってできないことが多いのですが、高校生くらいからは近方用を使えば眼が楽だということが身体感覚でわかるため、きちんと使い分けをしてくれます。
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